巷では男性器のサイズについて様々な情報が流布しています。自己申告か医師による計測か、サンプルの数と偏り、計測方法や目的、民族などによってその数値は異なり、場合によっては同じようなサンプルなのに大きく違う結果が報告されていることもあります。なぜそのような違いが生まれるのでしょうか。男性器のサイズの真相はどこにあるのでしょうか。このシリーズでは様々な研究をもとに男性器のサイズについて考察し、真実に近づく試みをしていきたいと考えています。また、俗説には科学的な裏付けがあるのかも考えていきたいと思います。
男性器のサイズは、弛緩(通常)時、勃起時、伸展時の長さや周囲長といった尺度で表されます。伸展とは陰茎が勃起していない状態で手や器具を使って可能な限り引き伸ばした状態のことで、勃起時とほぼ同じ長さになります。勃起時の長さは被験者の体調や緊張、計測時の気温などによって変わりやすく、どの程度勃起しているかによっても計測結果を変えてしまう可能性があります。伸展させた状態であればいつでもだれでも正確な長さの計測ができるため、多くの調査において用いられます。亀頭の先端から恥骨までの距離が陰茎の長さになるのですが、陰茎の体内に埋まっている部分も長さとしてカウントするため定規を恥骨に押し当てるやり方が正しい方法とされ、研究者の間で主流となっています。また、計測するときは陰茎の背面(本人から見える面)を計測します。
陰茎長の計測方法はしばしば議論の的になります。自己計測では陰茎の背面ではなく側面や裏面に定規を当てて測っている人もいて、その方法だと正しいやり方で計測した結果よりも長くなってしまい、正確な結果が得られないことがあります。また、正しい方法を共有しているはずの研究者や医師の間でも計測方法に若干のばらつきがあり、恥骨への押し付けが弱く他の統計よりも明らかに陰茎長が短く報告されていることも見受けられます。伸展させるときは最低でも450gの力をかけて引っ張らないといけないとされていますが、それよりも弱い力で計測していることもあると指摘されています。
自己計測による陰茎の長さを収集して平均した場合、研究者が計測した多くの結果よりも長くなることが多いと言われています。これは自己申告バイアスと呼ばれています。嘘をついてもペナルティがあるわけではないので、本当の長さよりも「盛って」報告することで男性としての自尊心を高めたいという心理が働くためと言われています。そのため正確な指標にはなりにくく、参考にすべきではありません。
研究者や医師が正しい方法で計測した場合でも、計測される人の集め方によっても結果が変わる可能性があります。サンプルを無作為に抽出した場合は問題ないですが、プライバシーの観点から有志による計測となることもあり、陰茎のサイズに自信がある男性ばかりが集まる可能性があります。その場合計測結果が大きめになり、統計として意味のあるものかを考えなければなりません。
以上のように計測方法や環境、計測する人/される人によって結果が異なるため、単に結果を見るだけでなく誰がどのように計測したのかも確認することで、男性器のサイズについてより正確な情報を得られるでしょう。








